Clásicos japoneses con furigana
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ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Lee 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 25.586 caracteres · 50 pantallas
小室道場としてはむろん「青岳流」を教えるわけで、他流の技を教えるなどということはない筈である。伊兵衛もそこを心配したのであるが、青岳はなにか思案があるとみえ、教授法についてはなにも云わず、すべて伊兵衛の好むままに任せた。
伊兵衛は溢れるような元気で、いかにも楽しそうに稽古をつけた。
彼はじっさい楽しかった。精気に満ち溢れていた。これまでしばしば、自分は武芸をするために生れて来たのかもしれない、と思ったのであるが、武芸ならなんでもいい、相撲でも結構。身心の全能力を尽して勝負を決する。明快で清潔で、しかも自分の才能をこれほど単直に示すものはない。伊兵衛はすべて明快単直が好きであった。
ひとに稽古をつけることは、これが初めてといってもいいくらいだが、やってみるとまんざらではない。それに従来と違って、「勝負を抑える」という法を案出しているので、門人たちのうけもよかった。
「三沢先生もうひと手お願いします」
「そう詰めてやっても疲れるだけですよ、今日はもう貴方はおあがりなさい」
「いえ大丈夫です、済みませんがもうひと手」
そんなふうに熱心に、稽古をせがむ者が多かった。