Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lee 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 136.000 caracteres · 266 pantallas

Aozora Bunko

この複雑極まる状態は、見ようによっては杵臼問題の討究に、万人が心を傾けている結果ともいわれるが、悪く評すれば文明を珍膳佳肴のごとく考えて、一箸ずつは嘗め試みる神農主義、たとえばこの辺の何文堂の店に、日蓮・大本・忍術・姓名・哲学の類から、ローランやラッセルの白っぽい本までが肩を並べて、色彩を誇っているのと一様の現象とも言いうる。

ただし相州津久井の内郷村などでは、また別様の話がある。村で生まれた校長の長谷川氏は、十二、三歳のころまで家にヒデ鉢と称して、松を焚いて燈火とするための石の平鼎を用いていたのが、それからの二十四、五年間に行燈からカンテラ、三分心・五分心・丸心のランプをへて、今はもう電気を引いて昔のままの勝手を照らしていると話された。しかもその最近の古物のヒデ鉢が、どうなってしまったものか、村内にいくつも残ってはいなかった。この気仙郡の半島にも、ヒデ鉢とはいわぬが松を焚く土製のランプはあった。あるいはまたこわれた鍋などをも利用していたという。しこうして今やこれを忘れ、もしくは笑わんとしているのを見れば、篤実なる農民とても、決して物を昔にするの能力を全然欠いているのではない。