Clásicos japoneses con furigana
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ゆきざっき
雪雑記
中谷 宇吉郎
Lee 雪雑記 (ゆきざっき) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 9988 caracteres · 20 pantallas
ところが十勝行もその年の中に二回、次の年にも三回という風に度重って行くと、不思議なことには雪の結晶が段々大きく見えて来て、それに硝子細工か何かのように勝手に弄り廻すことが出来るようになって来た。どうも双児の結晶らしいと思われるものは、両方から引っ張るとちゃんと二つに分れるようになった。冬彦先生の随筆に硝子の面に作った絹糸位の割れ目を顕微鏡で毎日覗いていると、小山の中に峡谷があるように見えて来る。そうなると色々の現象が分って来るというような意味の一節があったように憶えているが、どうもそういうことがありそうである。十勝岳ではよく水晶のような六角柱の雪の結晶で両底面に六花の板状結晶がついて丁度鼓のような形になったものが降って来ることがある。そういう結晶は何とかして顕微鏡下に垂直に立てて、その側面の写真をとりたいのである。色々試みた末、唾を使うのが一番良いということが分った。マッチの軸の先をちょっと舐めて硝子板をそっとつつくと、唾の非常に小さい滴が硝子板の上につく。ところが唾は氷点が低いと見えて、暫くは過冷却の状態で液状の微滴のままになっている。そこで今一本のマッチの軸の頭を折ったもので結晶を吊しながら、丁度結晶が垂直に立つようにその一端を唾の滴にふれさせるのである。