Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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くものわくころ

雲のわくころ

小川 未明

Lee 雲のわくころ (くものわくころ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 5198 caracteres · 11 pantallas

Aozora Bunko

ちょうど、春の季節の花が、少なくなったじぶん、やまゆりの芽は、ぐんぐんと、大きくなったのでした。

ところが、ある日、勇吉は、庭へ出て草をむしったり、肥料をほどこしたりするうち、あやまって、花壇のやまゆりを、ふみつけてしまいました。

「あっ。」と、思わずさけんだが、むざんに、根もとから折れてしまったので、どうすることもできませんでした。

「かわいそうなことをした。」と、ざんねんがるよりか、むしろ、花のはかない運命を、あわれまずに、いられなかったのでした。

かれは、自分の不注意だったつぐないとして、あとの一つを大事にしました。やがて、それは、初夏の空の下で、白い清らかな感じのする香気の高い花を開きました。日の光がてらすと、さながら銀でつくられた花のごとく、かがやかしく見えたのです。

たちまち、この花のみつを吸おうとして、ちょうや、はちが、どこからか飛んできて、花のまわりに集まりました。

「よく、みごとに咲いたなあ。」と、ふらりと、となりのおじさんが、庭へやってきて、やまゆりの花を見てほめました。

「いまごろ、山にのぼると、谷へかけて、こんなのが、たくさん、みごとに咲いている。