Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lee 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 121.438 caracteres · 238 pantallas
内へはいって庭の方をふとみると、庭の隅には大きい柘榴の木があって、その花は火の燃えるように紅く咲きみだれている。妻はその花の蔭に身をかがめて、なにか一心にながめているらしいので、張訓はそっと庭に降り立って、ぬき足をして妻のうしろに近寄ると、柘榴の木の下には大きいがまが傲然としてうずくまっている。その前に酒壺をそなえて、妻は何事をか念じているらしい。張訓はこの奇怪なありさまに胸をとどろかしてなおも注意して窺うと、そのがまは青い苔のような色をして、しかも三本足であった。
それが例の青蛙であることを知っていたら、何事もなしに済んだかも知れなかったが、張訓は武人で、青蛙神も金華将軍もなんにも知らなかった。かれの眼に映ったのは自分の妻が奇怪な三本足のがまを拝している姿だけである。このあいだからの疑いが初めて解けたような心持で、かれはたちまちに自分の剣をぬいたかと思うと、若い妻は背中から胸を突き透されて、ほとんど声を立てる間もなしに柘榴の木の下に倒れた。その死骸の上に紅い花がはらはらと散った。
張訓はしばらく夢のように突っ立っていたが、やがて気がついて見まわすと、三本足のがまはどこへか姿を隠してしまって、自分の足もとにころげているのは妻の死骸ばかりである。