Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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おんがくかいのめいしん

音楽と生活 兼常清佐随筆集

兼常 清佐

Lee 音楽と生活 兼常清佐随筆集 (おんがくかいのめいしん) de 兼常 清佐 (かねつねきよすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 29.475 caracteres · 61 pantallas

Aozora Bunko

槌の動きの遅いピアノでは、これはほとんどピアノのそのものの音の遅れの時間に近づいてくる。もし左手も相当強く叩けば、この喰違いの時間は非常に曖昧になる。もしここをペダルをかけて弾くなら、この時間は決して普通の人の耳にはいらない。

誰でも弾くツェルニーの『四〇練習曲』の第二六A長調は、ペテルス版では曲の速さが八分音符三つが八八となっている。この場合では右手と左手の喰違いはピアノそのものの時間の遅れより早くなる。もし先生がぼろぼろピアノでこの曲を弟子に教えながら、お前の左手と右手との時間が悪いなどと言うなら、そんな先生は明かに出鱈目という先生である。音ははっきり聞いていない証拠である。

これはほんの一例である。ピアノにはこのような事はまだまだ沢山ある。これはみな十分明瞭な事実である。それにこの明瞭な事実は批評家にも、ピアノの先生にも一般に聞かれていないで、そして存在の曖昧至極なタッチの巧拙という事だけがひとり明瞭に聞き出されていいものであろうか。一体そんな事で私共の常識が承知するだろうか。

諸君の中にはタッチの稽古をした人もあろう。あんな先生の言う事は真面目になって本気で聞いていられるものでない。