Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.984 caracteres · 28 pantallas

Aozora Bunko

十吉は、うるさくうなずいて、

「よくわかりました。すると、火をつけたのが藤五郎で、吉兵衛を殺したのはおもん……」

ひょろ松は、手をふって、

「おいおい、早まっちゃいけねえ。誰もそんなことを言ってやしねえ。それを、これから調べようというんだ。あまり頭からきめてかからねえこった」

と言いながら、吉兵衛の死体のそばへ寄って行って焼瓦の上にひきおこし、懐中から鼻紙を取りだして太い観世撚をつくって、それで吉兵衛の鼻孔の中をかきまわしていたが、やがてそれを抜きだしてためつすがめつしたのち、十吉のほうへ観世撚のさきを突きつけ、

「ほら見ねえ、自分で火を出して煙に巻かれて焼け死んだのなら、鼻孔の中へ媒や火の粉を吸いこんでるはずだが、こうやって見るとまるっきりそんなものがなくてこの通り綺麗だ。やっぱり殺されたんだぜ」

そう言ってるところへ、焼瓦を踏みながら飛んで来たのが、昨晩からずっと『大清』へつめさせてあったこれも下ッ引の孫太郎。息せき切りながら二人のそばへやって来て、

「親方、おもんが土蔵の中で血を吐いて死んでいます。……どうも殺されたような様子なんで……」

ひょろ松は、十吉と眼を見あわせて、