Clásicos japoneses con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.406 caracteres · 27 pantallas
本堂の右手について墓地のほうへ行きかかると、墓地の入口からスタスタ出て来たのが、ひょろ松。
「存外に早かったな。……どうだった、棺をあけたような証拠があったか」
ひょろ松は、うなずいて、
「たしかにあります。棺に鍬をうちあてた痕もあるし、棺の蓋をこじあけた跡もある。……ところがそれは昨日や今日のもンじゃない。どう見てもふた月か三月前の仕事」
「たぶん、そんなことだろうと思っていた。お梅が死んだのをきっかけにしたんでは、これほどの念の入った筋立ては出来ないはずだから、すると、お梅もやはりそいつらの手で気長にすこしずつ毒でも盛られて弱らされ、証拠の残らないようにして殺されたのだと思われる。……思うに、よっぽど以前から手がけた仕事にちがいない」
「なんといっても、五十万両の身代をウマウマ乗っとろうという大仕事。おっしゃる通り、たぶんそのへんのところでしょう。……それはそれとして、阿古十郎さん、あなたのほうはどうでした」
顎十郎は、頭へ手をやって、
「おれのほうは大失敗。……お前の畚に乗せられたばっかりに飛んだ赤ッ恥を掻いた。……おい、ひょろ松、お気の毒だがな、棺桶は玄関から奥へは入ってはいなかったんだぜ」