Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.960 caracteres · 24 pantallas

Aozora Bunko

ひょろ松は、頓狂な声をあげて、

「藤右衛門さん、そ、それは確かなんでしょうね」

「あっしがさわって見たところでは、確かに死んでおります」

顎十郎は、口をはさんで、

「まっ暗がりでご挨拶もなりません。あっしは、ひょろ松親分の下廻りの阿古の長太郎というものですが、あなたがおさわりになったというのは、いったい、いつごろのことなンでございますか」

「いつもなにもありゃアしません、ほんのつい今しがたでございます」

「ひとが倒れているというのを、どうしておわかりになりました」

「あっしは後かため殿りの役ですから身内のもの七人と列について、いちばん最後から行きますと、本殿を出て、五丁ばかりも行ったと思うころ、浄杖の先になにかさわるものがありますンで、なんだろうと思って捜りひろげて行くと、手ごたえの柔かい、なにかひどく大きなもの。御物嚢でも落して行ったのかと思って、かがみこんで手でさわって見ますと、俯伏せに倒れている人間の身体。……これは、と驚いて、すっと捜って行きますと、盆の窪にのぶかく矢が立っています」

「これは、どうも意外」

「そういうふうにして順々に四人。……どれもみな、ぼんのくぼのところに、同じように矢が……」