Clásicos japoneses con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.783 caracteres · 22 pantallas
「ねえ、かまいたちなんぞ、ほんとにいるものなのでしょうか」
庄兵衛は眼鏡越しに、例のお不動様の三白眼でじろりと花世の顔を見あげながら、
「はて、いないでどうする。そもそも、かまいたちとは……」
花世はニッコリと笑って、
「はい、そもそもは、もう結構。それは耳にたこのよるほど伺いました。……では、それはいったい、どんなかたちをしているのかしら。いたちが鎌を持っておりますの。……ちと、うけとれぬ話だわねえ」
「いたちがなんで鎌などを持つ、ばかめが。……つまり、なんだ、ひとくちに申せば、飛びっちがいに、爪で掻き切るのだわい。えい、うるさい」
「まあ、こわいこと……はやくつかまえて、爪を切っておやんなさいまし」
「なにをくだらぬ……天下の与力筆頭が、いたちなどにかかずらっておられるか、たわけたことを」
「天下の与力筆頭も鎌鼬にかかっては、手も足も出ぬそうな。それならばいいことがござります」
といって、気をもたせるように忍び笑いをする。
庄兵衛は、焦れ切って、
「焦らさずに、早く申せ。……なにか、いい智慧でもあるのか」
「両国から香具師を呼んでおいでなさいませ」
「はて、香具師をどうする」