Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.327 caracteres · 43 pantallas

Aozora Bunko

顎十郎は馬鹿ていねいに腰をかがめ、

「これは藤波先生、遠路のところを、ようこそ。……さすが、江戸一の捕物の名人といわれるだけあって、職務にはご熱心、はばかりながら、感佩いたしました」

藤波は膠もなく、

「それで、ご用といわれるのは?」

「わざわざお呼立てして恐縮でしたが、チトお目にかけたいものがあって……」

「だから、なんだ、と訊いている」

「御用繁多のあなたをこんなところへお呼立てする以上、申すまでもなく、このたびの金座の件……」

藤波は、ふん、と陰気に笑って、

「また、出しゃばりか。……おおかた、そんなことだろうと思った」

顎十郎は、へへ、と顎を撫でて、

「いや、出しゃばりと言われると恐縮いたしますが、聞くところでは、あなたは金座のお金蔵方、立馬左内のせがれの芳太郎という子供をお手あてになったそうで……」

「それが、どうした」

「いちいちお咎めでは、お話もできません、まあ、平に平に。……くどいことはお嫌いのようですから、ざっくばらんに申しますが、どうも芳太郎という子供がかわいそうで、なんとかして、無実の証を立ててやりたい、……それで、出しゃばりの譏もかえりみず、出しゃばりをしているわけなんで……。