Clásicos japoneses con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lee 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.028 caracteres · 30 pantallas
「手前もその通り、てんで、地面に足がついたとも思われませんでしたのさ。……ところで、藤波さん、あの物凄い剣気のぬしは、死んだと思われていた土井鉄之助だったのですぜ」
「えッ」
「ところで、まだ驚くことがある。土井鉄之助こそは、乞食の子の実の親。産土まいりの帰りみち、ちょうどそこへ通りあわして、家老の志津之助へ自分の子供を売った当人」
「ほほう」
「本来なら土井鉄之助は、越前大野の四万一千石をつぐはずだったが、継母のために廃嫡され、いっそ気楽な世わたりをしようと、非人の境涯へ身を落したが、もとを正せばおなじ清和源氏。土井摂津守利勝からわかれたおなじ一家。数馬なんかにくらべると、このほうが血筋が近い。いわばこれも因縁ごと、願ってもない決着だというべきでしょうが、残った問題というのは、替玉をして相続をねがいでたという件だ。が、このほうもしらを切って押しとおせば、どうにか無事におさまろうというもの。数馬や数馬の伯父のほうは、土井鉄之助が正面切っておさえつけるはずですから、そういう事実の前には、グウともいえるわけがない」
藤波は舌を巻いて、
「こりゃアどうも、いよいよいけない。