Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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かけおち

駈落

佐左木 俊郎

Lee 駈落 (かけおち) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6287 caracteres · 13 pantallas

Aozora Bunko

弟の庄吾は、婆さんの手伝いで、尻端折りになって雑巾掛けだった。

「爺つあん、今日は、午めえは草刈っさ行かねってもいいぞ。」と菊枝は、土間を掃こうと箒を取りながら言った。

「俺あ今朝、午の分まで刈って来たから……」

「あ、そうが! そいつは大助がりだ。」

爺さんは、初めて無愛想な面構えをほどいた。菊枝も大変嬉しかった。

この爺さんは、昔は非常な働き手だった。二人前出来ないことは、たった一つ、使い歩きだけで、いっぺんに、西へ行ったり、東へ行ったりすることが出来ないから……と言われたほどの働き手だった。事実どんな仕事でも、大抵は二人前近く働いたものだった。が爺さんは、老衰の峠を越してから、急に怠け者の中へ数えられるようになった。

それでも爺さんは、倅の春吉と、孫の菊枝とが、毎日のように日傭稼ぎに行くので、僂麻質斯の婆さんに攻め立てられ、老衰した身体を、まるで曳きずるようにして、一日に二回ずつは、草を刈りに出なければならなかった。

「ふんとに俺は、棺桶さ入えるまで、こうして稼がねえばなんねえんだな……」

こう言って爺さんは、毎日草を刈りに出なければならなかった。