Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Lee 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 28.312 caracteres · 57 pantallas
「それは結構なことで――ところで、お住居はたいそう気持よく出来ておりますね、――ちょっと拝見さして頂きたいものですが」
「あ、宜いとも、どうせ金持のようなわけには行かない、言わば、仙人の住家で」
「そんなことはございません」
平次は狭い家の中を一と通り見せて貰って、少しあわて気味に外に出ましたが、長崎屋へ真っすぐに引揚げると、八五郎を小手招きに、二階へ押しあがりました。
「何んです? 親分」
「まア、黙って跟いて来い」
二階の縁側に立った平次は、懐ろから何かを取出しました。
「何んです、親分」
「足袋だよ、岡浪之進の家からさらって来たんだ」
「へエ、親分もちょいちょいそれをやるんですか」
「黙って居ろ、それ、足袋の裏に埃が付いてるだろう、少しばかりの古い木屑もある、トントン葺の庇の埃だよ、その足袋に、ほんの少しだが、血が付いて居るだろう、――心掛けのある武士は、跣足で庇を渡るようなことをしないと思ったから、この足袋をさらって来たんだ」
「すると?」
「下手人はあの浪人者だよ、――相手は手剛い、褌をしめ直して来い八」
「でも、私には腑に落ちませんね、あの浪人は良い男ですよ、気軽で親切で」