Clásicos japoneses con furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lee 黒百合 (くろゆり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 78.148 caracteres · 154 pantallas
紳士は殊の外その意を得た趣で、
「まあ、一所に来たまえ。だから僕が悪いようにゃしないというんだ。え、どこかちょっと人目に着かない処で道寄をしようじゃあないか、そしていろいろ相談をするとしよう。またどんな旨い話があろうも知れない。ははは、まずまあ毎日汗みずくになって、お花は五厘なんていって歩かないでも暮しのつくこッた。それに何さ、兄さんとかいう人に存分療治をさせたい、金子も自から欲くなくなるといったような、ね、まあまあ心配をすることはないよ、来たまえ!」といって、さっさっと歩行き出す。お雪は驚いて、追縋るようにして、
「貴下、どちらへ参るんでございます。」
二十六
「心得てるさ、ちっとも気あつかいのいらないように万事取計らうから可いよ。向うが空屋で両隣が畠でな、聾の婆さんが一人で居るという家が一軒、……どうだね、」と物凄いことをいう。この紳士は権柄ずくにおためごかしを兼ねて、且つ色男なんだから極めて計らいにくいのであります。
勇美子の用でも何でもない。大方こんなこととは様子にも悟っていたが、打着けに言われたので、お雪も今更ぎょっとした。
「路も遠うございますから、晩くなりましょう、直ぐあの、お邸の方へ参っちゃあ不可ませんか。