Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あまりもの

あまり者

徳永 直

Lisez あまり者 (あまりもの) de 徳永 直 (とくながすなお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 421 caractères · 17 écrans

Aozora Bunko

「死んだかなぁ! 何で死んだんだろう?」

私は肩辺の冷え切ったのを感じて、少し蒲団の中に頭を引き込め乍ら、こう呟いた。

「病気とも頓死とも書いてないわ」

抛りだされた手紙を拾い読みながら、妻は私に言った。

「多分、病気にちがいない」と私は言った。頓死ならばまだ例が少ないだけに、書いてあるだろうと思ったからだ。

何病気で死んだんだろう? あの頑丈な男が……眼玉のギョロリとした、色の真っ黒い、慓悍そのもののような骨格であったあの男が……

「コレラ? ハァ……死にますかなぁ、ハァ」

何時だったか、私の家へ、獲って来たばかりの鯰や、鮒などを売りに来た時心配屋の私の母が、時節柄、チブスやコレラの流行を怖れて買わなかったら、兵さんは、怪訝そうに、

「私しゃ、よんべも食いましたがナァ」

兵さんは、不思議そうに、片手に提げている魚籃を、ランプの灯りの方へ寄せて、一方の手で、ひきかき廻したのだった。

「もっとも、兵さんにゃ、コレラの方で御免だよ」

皆は、笑いこけたのだった。

その兵さんが死んだ。河童の兵さん、鰻獲りの兵さんが死んだのだ。

私は、兵さんの旧友だったのだ。

兵さんは、まったく、この世の中に、不用な人間のようにして、生れ出て来た。