Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるかんぬしのはなし
ある神主の話
田中 貢太郎
Lisez ある神主の話 (あるかんぬしのはなし) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 116 caractères · 10 écrans
漁師の勘作はその日もすこしも漁がないので、好きな酒も飲まずに麦粥を啜って夕飯をすますと、地炉の前にぽつねんと坐って煙草を喫んでいた。
「あんなにおった鯉が何故獲れないかなあ、あの山の陰には一疋や二疋いないことはなかったが、一体どうしたんだろう」
その夜は生暖な晩であった。地炉に焚く榾の火が狭い荒屋の中を照らしていた。
「二尺位ある二疋の鯉……二尺位の鯉が二疋欲しいものだなあ」
勘作は村の豪家から二尺位ある鯉を二疋揃えて獲ってくれるなら、云うとおりの値で買ってやると注文せられているので、二三日前からその鯉を獲ろうとしているが、鯉は愚かろくろく雑魚も獲れなかった。
「網では獲れそうにもないから、明日は釣ってみようか、あの淵の傍で釣ってみてもいいな、釣るがよいかも知れないぞ」
勘作は酒の気がないので、もの足りなくてしかたがなかった。
「勘作さん家かな」
何人かが入って来た。漁師仲間の何人かが話しに来たろうと思って庭を見ると、色の白い小柄な男が来て立っていたが勘作には見覚えのない顔であった。
「お前さんは何人であったかな、俺はものおぼえが悪いから」
「お前さんは知らないかも判らない、私は近比この村へ来た者だから」