Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いさましいはなし

いさましい話

山本 周五郎

Lisez いさましい話 (いさましいはなし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 835 caractères · 73 écrans

Aozora Bunko

玄一郎は刀を鞘ごととり、下緒を外して襷をかけた。悠々たるものだ、それから刀を抜いて、鞘を枯草の上に置いた。

「――あまりいい足場ではないな」

呟くように云って、まわりを見まわし、空を仰いだ。それから静かに刀を青眼にとり、左足を少しひいて益山を見た。

「――よかろう、いざ」

益山は刀の柄に手をかけたままである。まだときどき霧がながれる。ごく薄く条のようになり、布を引くように、――しかし天も地もすっかり明けはなれて、森の中ではしきりに鶫が鳴きはじめた。

抜刀流の手でもやるとみえたが、益山はふと五六尺うしろへ退り、刀を抜いて構えなおした。そのとき玄一郎の唇にあるかなきかの微笑がうかんだ。

「――益山安心してやれ、生命はとらない」

玄一郎は低い声で云った。

「――但し右の腕だけは貰った」

益山の刀が波をうった。息はあらく、呼気が強くなる。緊張のあまり眼は大きくみひらかれ、唇の間から歯がみえた。

益山の躯は幾たびも動作を起こそうとした、そのたびに刀が波をうった、だが玄一郎の青眼の切尖が先を押える、眼につかぬほど微かに、しかしきわめて的確に切尖がつつと揺れる。……それは益山が動作を起こそうとする瞬間と、その方向を「こうか」