Classiques japonais avec furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lisez いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 63 226 caractères · 128 écrans
若し天一のような奇術師が此瀑布を大きな硝子箱に入れて世界中を見世物興行して歩くなら、さぞ受ける事だろう。子供が地理や地文を覚えるのに何程の助けになるか知れやしない。けれども馬車屋の法外なのには何人も驚く。お父さんは瀑布よりも馬車賃の高いのに一驚を喫したと言った。尤も見世物には馬車なんか連れて行かなくてもいい。瀑布だけを其侭罐詰か何かにして持って行けば仔細なかろう。
乃公の着いた日には仏蘭西の軽業師が此瀑布の上で綱渡りをする所だった。お母さんは彼は狂人だと言ったが、一向キ印らしくもない。見た所音なしそうな人である。乃公とお父さんは其芸当を見物に行く。けれどもお母さんは労れてはいるし、そんな危い物は見るのも嫌いだから、乃公をお父さんに預け、片時も目を離してくれるなと頼んで、御自分だけ宿屋に引取った。
仏蘭西人は此瀑布の上を綱で渡るという。両手に英米の国旗を持っている。落ちれば大変だ。全く生命がけの仕事である。けれども彼の男は落ちやしまい。落ちた所で其侭死にはしまい。きっと鯉になるだろう。鯉になって今度はナイヤガラの瀑布に登るだろう、等と思っていた。
見物人はヤンヤと喝采している。