Classiques japonais avec furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lisez いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 63 226 caractères · 128 écrans
伯父さんは返事もしないで、唯鼻をクシンクシンいわせていた。そして穴の明く程乃公の顔を見詰めていた。乃公を何か顕微鏡の中にいる虫だとでも思っているらしい。
此れは怒らしたと思ったから、今度は慰める積りで斯う話しかけた。
「けれどもねえ、伯父さん。あなたが吝嗇の方が善いんですってお母さんが申しましたよ。けちならけち程余計にお金を残すから、その方が畢竟善いんですって」
けれども伯父さんは尚お怒った。いくら慰めても賺しても聞き分けがないから困った。丁度猫の脊中を逆に撫でるようなもので、撫でれば撫でる程むずかるから、乃公は好い加減にして出て来た。
一遊び遊んで帰ると、お母さんとお歌さんは乃公を捉えて種々の事を聞いた。無論乃公は当らず障らずの返事をして置いた。
「決して伯父さんに逆っちゃいけませんよ。もともと変人なのに老耄して愚に帰ってるから直ぐ気に掛けなさる。もうお前は行かない方がいいよ。今休んでいられるから、お前は外へ行ってお遊び、起きると又うるさいから」
とお母さんが言った。それで乃公はお母さんの言うことを聞いて外へ出た。暫時は土方の道普請を見物していたが、急に伯父さんの顔が見たくなった。