Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うすゆきしょう

うすゆき抄

久生 十蘭

Lisez うすゆき抄 (うすゆきしょう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 454 caractères · 59 écrans

Aozora Bunko

道益は大得意で機嫌よくうなずいていたが、いくらお世辞でもおなじことばかり巻きかえされると、諷刺をいわれているようで気がさし、なんとなく面白くなくなった。

そういうころ、会所の寄合で夜を更かし、供を一人連れて磧を通りかかると、落鰻を拾う下人が五人ばかり、磧の岸にを仕掛けながら、

「見てみろ、また高楼に灯が入った。道益の一ノ姫は、今夜も船澗をあけて、谷戸の業平に夜舟を漕がせる気とみえる。これでもう五つ夜つづけうちだが、ようまァ精の出ることだ」

と声をそろえてはやしている。道益は手真似で供をとまらせ、川曲の闇だまりにしゃがみこんでいると、下人どもはそうとも知らず、あたり憚らぬ高声で、

「蘆屋の大人は聡しいお人で、世渡りの道にかけては、諸事ぬかりなくやってのけるという評判だが、表の道に木戸をおき、唐門の櫓に見張りあげて守らせても、裏の水路はまるあきで、毎夜のように密貿易の船頭が入り込み、船澗へけしからぬ水馴竿を振込むのを知らずにいるようでは、たいした器量人と思えない」

というと、また一人が、

「その話では、小田原中がひっくりかえって笑っている。知らぬは道益殿ただ一人。