Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おさん

おさん

山本 周五郎

Lisez おさん de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 128 caractères · 66 écrans

Aozora Bunko

一の四

とおふさが云った、「あんた独り身なんでしょ」

「諄いな、会いたければかみさんに会わしてやるぜ」

「あたしが押しかけ女房になりたがってるとでも思うの」

「除けろよ、馬が来るぜ」と参太は云った。

一の四

上方に仕事があるからいって来る、とおれが云いだしたとき、おさんはどうぞと答えた。おまえは待っているんだがいいか、と訊いたら、ええ待っています、と頷いた。上方に仕事があるということが口実であり、このまま夫婦別れになるのではないか、と直感したようであった。いつ立つんですか。向うの都合でいそぐから、この二十五日に立つ予定だ。そう、では三日しかないのね、と云いながら眼をそむけた。そのままなにも変ったようすはみせなかった。あんまり変らなすぎるので、おれのほうが却っておちつかず、心が痛んだものだ。そして、明日いよいよ立つというまえの晩、おさんはがまんが切れたように、泣いてくどいた。あんたは別れるつもりでしょう、ごまかしてもだめ、あたしにはわかってるの、あんたは別れるつもりなのよ、とおさんは云った。おれは黙るよりしかたがなかった。どうしてなの、あたしのどこがいけないの、云ってちょうだい、なにが気にいらないの、まさか、あのひるがおのことじゃないでしょうね、と云っておさんは、涙の溜まった眼でおれをみつめた。