Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おさん

おさん

山本 周五郎

Lisez おさん de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 128 caractères · 66 écrans

Aozora Bunko

縁のねえものを見る眼つきだった、――いっしょになって三四十日経ってから、ときどきそういう眼つきをすることがあった、おれの顔をじいっとみつめている、どこの人だろう、といったような眼つきで、そこにおれという人間のいることが腑におちない、といったような眼つきだった、――山谷のうちでは、それよりもっとよそよそしい、あかの他人を見るような眼つきなんだ、薄情も情のうちと云うが、そんなものさえ感じられなかった、それでおれは帰って来ちまったんだ」

参太は彼に酌をしてやり、それから静かな声で云った。

「大鋸町のうちへ帰るほうがいいな」

作次はゆっくり参太を見た、「大鋸町がどうしたって」

「おかみさんや子供たちが待ってる、そっちのけりがついたんなら、いいかげんにうちへ帰るほうがいいと思うがな」

「死人にうちがあるか」と作次は云った、「おれは死んじまった人間だ、ここにいるおれは」と彼は右手で自分の胸を掴んだ、「このおれは、死骸も同然なんだ、それがおめえにわかるか」

「とにかく、大鋸町ではみんなが待っているぜ」

「おめえ、なんてえ名だ」ふっと作次の眼が光った、「さっき誰だとか云ったっけな」