Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おばなさわ
おばな沢
山本 周五郎
Lisez おばな沢 (おばなさわ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 479 caractères · 45 écrans
「こんどの出張で、特にこれだけお手許からさがったんです、ほかの者には知れぬようにということですから、どなたにもないしょで預っておいて下さい」
「でもそれは、お家のほうへお預けなさるのが本当ではございませんの」
「いやあなたに持っていて頂きたいんです、今後もときどきさがるらしい話しでしてね、実を云うと母には浪費癖があるんですよ」
英之助はあまえるように眼で笑った。
「――いつかあなたが戸田へ来て下さるときまで、あなたの手で預っておいて貰いたいんです。またさがったら持って来ますから、しかし誰にも話さないように願います」
節子はその二十五金の包みを、自分の用箪笥の中へしまった。
英之助が尾花沢へ去ってから、節子は預った金にふとこだわりを感じた。彼には母親と十七歳になる昌次郎という弟がいる。戸田は物頭格で食禄も多くはない。彼は節子との結婚で、その点をかなり気にしている。節子がぜいたくにそだったからというのではなく、節子を愛するために貧乏をさせたくないというのである。
この金を預けたのもそういう気持から出たことであろう、同時にそれで自分の誠意を示し、節子の心を絶えず自分につないでおこうという、彼らしい弱気な考えの含まれていることも、これまでの経験で節子にはよくわかった。