Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かんかんむし
かんかん虫
有島 武郎
Lisez かんかん虫 (かんかんむし) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 483 caractères · 23 écrans
虫っけらは何処までも虫っけらで押し通して、人間の鼻をあかさして見てえし、先刻も云った通り、親ってえものは意気地が無え、娘丈けは人間竝みにして見てえと思うんだ。
おい、「空の空なるかな総て空なり」って諺があるだろう。旨めえ事を云いやがったもんだ。己れや其の晩妙に瞼が合わ無えで、頭ばかりがんがんとほてって来るんだ。何の事は無え暗闇と睨めっくらをしながら、窓の向うを見て居ると、不図星が一つ見え出しやがった。それが又馬鹿に気になって見詰めて居ると、段々西に廻ってとうとう見えなくなったんで、思わず溜息ってものが出たのも其の晩だ。いまいましいと思ったのよ。
そうしたあんばいでもじもじする中に暁方近くなる。夢も見た事の無え己れにゃ、一晩中ぽかんと眼球をむいて居る苦しみったら無えや。何うしてくれようと思案の果てに、御方便なもんで、思い出したのが今云った諺だ。「空の空なるかな総て空なり」「空なるかな」が甘めえ。
神符でも利いた様に胸が透いたんで、ぐっすり寝込んで仕舞った。
おい、も少し其方い寄んねえ、己れやまるで日向に出ちゃった。
其の翌日嚊とカチヤとを眼の前に置いて、己れや云って聞かしたんだ。