Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くせ

くせ

吉川 英治

Lisez くせ de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 262 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

廿銭出したら一銭銅貨を一枚オツリに渡されて、改札まで来ると電車はもうプラットホームに来ている。乗りおくれまいと、急いで改札に鋏を求めたが、なぜか、その駅員は私の顔をじっと見たまま、切ってくれないので、電車は出てしまった。

私は、故意のように、悠長な駅員の態度に、軽い腹立たしさを感じて、なぜ切らないかと咎めたら、駅員は儼然として、

『でも、銅貨は切れません』

と、いった。

気がついてみると、私は、切符は左の掌の中にかたく握って、一銭銅貨を、彼氏に対して突きつけているのであった。

*

写真を撮る時、首を曲げるのは、私の癖だと人にいわれた。そういえば、どの写真も、少し曲がっている。曲がるなといわれると、よけいに曲がる。

人と話す間も、曲がるらしい。歩いている時も、曲がっている。こんなのは、癖としては、軽い。

原稿を書く場合には、ずいぶん癖らしいものが発作する。机の埃を吹くのは、前にいったが、少し苦吟して来ると、あらぬ方へ、眼をすえる。馴れない女中は、恐いそうである。そんな時やむを得ない用事などを訊いてくると、とんちんかんな返辞をするらしい。

相手が、人にものを訊きながら笑うので、何を笑う、というと、又笑う。