Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こころ

こころ

夏目 漱石

Lisez こころ de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 915 caractères · 322 écrans

Aozora Bunko

二十三

私が心配して自分の肩へ手を掛けさせようとしても、父は笑って応じなかった。

二十三

私は退屈な父の相手としてよく将碁盤に向かった。二人とも無精な性質なので、炬燵にあたったまま、盤を櫓の上へ載せて、駒を動かすたびに、わざわざ手を掛蒲団の下から出すような事をした。時々持駒を失くして、次の勝負の来るまで双方とも知らずにいたりした。それを母が灰の中から見付け出して、火箸で挟み上げるという滑稽もあった。

「碁だと盤が高過ぎる上に、足が着いているから、炬燵の上では打てないが、そこへ来ると将碁盤は好いね、こうして楽に差せるから。無精者には持って来いだ。もう一番やろう」

父は勝った時は必ずもう一番やろうといった。そのくせ負けた時にも、もう一番やろうといった。要するに、勝っても負けても、炬燵にあたって、将碁を差したがる男であった。始めのうちは珍しいので、この隠居じみた娯楽が私にも相当の興味を与えたが、少し時日が経つに伴れて、若い私の気力はそのくらいな刺戟で満足できなくなった。私は金や香車を握った拳を頭の上へ伸ばして、時々思い切ったあくびをした。

私は東京の事を考えた。そうして漲る心臓の血潮の奥に、活動活動と打ちつづける鼓動を聞いた。