Classiques japonais avec furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lisez 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 470 caractères · 244 écrans
そうか、なるべく安いのがよろしい。ところで、僅かに百両でわが輩の首が継がるとあれば大した負担でもない。
小みどりの母に、奉行所から、娘供出の指令が到着した。仙公狸は、すぐにこれを伝え聞いて、仰天したのである。
自分が、通力を発揮して美人に化け、小みどりの身代わりとなり奉行所へいけにえとなって罷り出ても構わぬが、化けの皮を剥がれたときのことも考えて置かねばならない。いかに狸界の重鎮である自分と雖も、相手が武士では始末にならぬ。
さりとて、みすみす小みどりを奉行所へ奪われてしまえば、恋の破滅だ。時にとっての勘案はなきものかと、佐々木彦三郎は長大息して、尻っ尾で畳を打った。
母の歎きは、それ以上だ。次第によれば、老いた母が娘の身代わりにもなりたいが、この皺くちゃでは、問題にならぬ。娘と手を取り合って泣き暮らしたのである。
人の歎きに用捨はせぬ。下僚は者共に命じ、小みどりを駕篭に押し込めて、奉行所へ連れて行ってしまった。
逃走の虞れがあるというので、雀右衛門は小みどりを離れの一間に軟禁した。そして、瀧川一益のご機嫌の折りを窺い、これを献上して首を助かることはもちろん、あべこべに出世を夢みて、下僚と共に祝盃をあげたのである。