Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lisez だいこん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 153 732 caractères · 303 écrans

Aozora Bunko

「しょうがないさ。こんな国に生れたんだから」

「あたしのこのロオブ……ピゲエの変り型だってほんとうなの」

「ほんとうだ、なぜ」

「そうだったら、あたしいままでにいちばんシックなロオブを着て死ぬことになるんだわ。あたしこんなお服、どんなに着たかったか知れないのよ。でも、だいこん、この色あなたどう思う。あたしあまり好きでないのよ」

「その赤は赤鉛筆色っていうんだ。とてもシックなんだ。日本にまだないんだよ」

おチビさんがニッコリ笑った。

「そうなの。知らなかった。あたしなんだか好きになったわ。長謙がそういうのよ。これくらい赤いロオブを着て死んでいたら、腐るまえに、誰かが見つけて埋めるくらいのことはしてくれるだろうって」

なるほど、それがママのつもりだったのか。あたしはじぶんのロオブを見てみた。ぞっとするような朱色だ。これなら十里先からでも見えるだろう。

あたしは芝生の上へあおのけに寝た。空はノアイユ夫人が形容したような子供らしいすき透った青さで、むこうの黒い森のうえに議事堂の塔が薄月の光をうけて白く立っている。大広間の窓々からはシャンデリアの光があふれ、ツィガーヌ風の啜り泣くようなヴァイオリンのカダンスと踊りのさざめきがきこえ、組を変えて踊っているリズミックな影が、ちらと窓にうつってはまたすぐ遠のく。