Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちゃん

ちゃん

山本 周五郎

Lisez ちゃん de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 377 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

重吉はからだがたよりなくなるような、精のない気分でそれを聞いていた。

まもなくお直とおつぎが帰り、良吉も井戸端から戻って来た。お直たちは内職物の包を背負っていて、有難いことに来月いっぱい仕事が続くそうだ、などと重吉に云いながら、六帖へいって包をおろし、良吉は手ばしこく道具を片づけた。

「かあちゃん」と良吉は土間から叫んだ、「おれ、ちゃんと湯へいって来ていいか」

「大きな声だね、みっともない」と六帖でお直が云った、「いくんなら、亀吉も伴れてっておくれよ」

「だめだよ、今日はだめだ」と良吉は云い返した、「今日はちょっとちゃんに話があるんだ」

彼は父親に眼くばせをし、「この次に伴れてってやるからな、亀、今日はかあちゃんといきな、な」

「ひどいよ、良」と云うお芳の気取った声が聞えた、「伴れてってやんな、良、ひどいよ」

「へっ」と良吉が肩をすくめた、「あいつをかみさんにする野郎の面が見てえや、ちゃん、いこうか」

おつぎが重吉に手拭を持って来た。

湯屋は川口町に面した堀端にある。昏れかかった道を歩いてゆきながら、良吉は父親に笑いかけ、帰りに一杯おごるぜ、と云った。冗談いうな。