Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちょうとどとう

ちょうと怒濤

小川 未明

Lisez ちょうと怒濤 (ちょうとどとう) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 746 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

どんな強い風に飛ばされた木の葉も、一度は落ちるように、ちょうは冷たい土の上に落とされました。そして、気がついたときに、すさまじい音が、真っ暗な中から、起こってきこえていたのです。そこは、海辺でありました。

ちょうは、湿った砂の上にしがみついて、ふるえていました。夜が明けると、自分の美しかった羽は破れていて、そして、前には青い青い海が、うねり、うねっているのが見られたのです。日の光を浴びて、ちょうは、いくらか元気が出てきました。そして、どこかの辺りに、花が咲いてはいないかと、ひらひらと舞い上がったのでした。けれど、風が強くて、ややもすると傷ついた羽が、そのうえにも破れてしまいそうでした。やっと、砂の丘に黄色な花の咲いているのを見つけて、その花の上にとまりました。

黄色な花は、ちょうど星のように咲いていました。そして、風に吹かれて、頭を地につけていました。あまりみつばちもいなければ、また、ほかのちょうの姿も見えませんでした。花は黙っています。海の上では鳥が鳴いていました。なんとなく、悲壮な景色であったのです。

ちょうは、じっとして、終日、その花の上に止まっていました。