Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

Lisez つゆのあとさき de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 725 caractères · 148 écrans

Aozora Bunko

富士見町の待合野田家の門口へ自動車を乗りつけた三人連。一人は清岡の原稿売込方を引受けている駒田弘吉という額の禿げ上った鰐口の五十男に、一人は四十あまり、一人は三十前後の、一見していずれも新聞記者らしい眼鏡をかけた洋服の男である。駒田が先に格子戸を明け、靴をぬぐ間から女中にからかいながら、どやどやと表二階の広い座敷へ通る。前以て電話が掛けてあったものと見えて、煙草盆に座布団も人の数だけ敷いてあって、煉香の匂がしている。「お風呂がわいております。」と女中の挨拶に、間もなくこの土地では姉さん株らしい三十近い年増と、二十前後の芸者が現われ、女中の運び上げる料理の皿を卓の上に並べる。

駒田は現在『丸円新聞』に連載せられている清岡の小説がほどなく半月くらいで完結する見込なので、早くも別の新聞社へ交渉して次の原稿を売込む相談をまとめたところから、編輯長へは内々で割戻しの礼金も渡してしまい、部下の記者は待合に連れて来て酒肴を振舞い芸者をあてがう腹である。

「先生も、もうそろそろお出ででしょう。構いませんから先へやりましょう。」と駒田は盃を年上の記者にさして吸物椀の蓋をとる。