Classiques japonais avec furigana
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
Lisez つゆのあとさき de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 725 caractères · 148 écrans
丁度二本になりますから、もう帰してもよろしいでしょう。」
「後の奴はみんな間に合うのか。」と駒田は時計を見た。
「菊代さんだけ少し高いんですけれど。」
「そんならそれも帰してしまえ。どの道、おれはいらないんだから、三人残して置けばいい。」
「じゃア、京葉さんに、辰千代さんに、松葉さん。」と念を押して、「どういう風にしましょう。」
女中が相方をきめるのに困っているらしいのを見て、駒田は厠から帳場へ姿をかくし、それから清岡を呼出し、座敷には招待した記者二人を残して好きな芸者を択り取らせる事にした。
「そう致しましょう。」と女中はまず年増芸者を帰すように座敷へ行って見ると、若い記者は女給上りの辰千代を膝の上に載せて窓に腰をかけ外を見ながら、流行唄を唄っているので、これはそのままにして、年上の記者に耳打をした。清岡は様子を察して何とつかず立って厠へ行き、駒田をさがす振りで裏梯子から下へ降りて、再び二階の座敷へ戻って見ると、記者の姿は二人とも見えず、女中が脱いである洋服の上着と折革包とを持ち、立ちかけた京葉に、「三階のすぐ突当り。」と教えているところであった。清岡は何事も気のつかない振りをして、窓の敷居に腰をかけると、一人取残された身丈の高いハイカラの芸者は、その場の様子から清岡を自分の出る客と思ったらしく、「もう霽れたよう