Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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のろのろほうだんのきょうい

のろのろ砲弾の驚異

海野 十三

Lisez のろのろ砲弾の驚異 (のろのろほうだんのきょうい) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 247 caractères · 19 écrans

Aozora Bunko

私が最大級の讃辞を博士に捧げていると、ロッセ氏は、そうかそうかと、ペルシャ猫のように澄んだ瞳をくるくるうごかして、しきりに感服の面持だった。

「だから、博士がうんといえば、あなたの設計した電気砲も、博士の秘密工場の手で実際に作ってくれるだろう。そうすれば、あなたの念願している英艦隊の撃滅のことも――」

「いや、博士は、初速の速い電気砲が気に入らないらしい。むしろ、速度の遅い、そして射程の長い砲弾を考え出せといわれたが、僕には、何のことだか分らないのだ。なぜなら、速度を遅くすることと、射程を長く伸ばすこととは、互いに相傷つける条件なんだからねえ」

「うむ、まるで謎々だね」

「そうだ、謎々だ。それも解答のない謎々を出題されたような気がする。博士は、ひょっとしたら、僕をからかったのかもしれない」

「そんなことはないよ。博士は、からかうなんて、そんな人のわるいことはしない。ああまで真剣で、大真面目なんだ。謎々をかけたにしても、博士は必ずその解答のあることを確めてあるのだと思う」

「そうかなあ。速度の遅くて、射程の長い、そして命中率百パーセントの砲弾! そんなおそろしいものが、この世の中にあるとは、どうしても思われないが……いや、僕たちは、既成科学に対し、すっかり囚人になっているのがいけないのかもしれない」