Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はたしじょう

はたし状

山本 周五郎

Lisez はたし状 (はたしじょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 525 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

第二はそうも思った。友人としてもいちばん親しいし、彼は和田へもよく出入りしていた。彼ならば、まだ知らないとしても、ようすをさぐることくらいはできる。……こう思ったけれども、やはりいざとなると手紙は書けなかった。婚約は内輪だけのことで、ほかの親族や友人たちにはまだ正式には知らせてはない。それをいきなりそんな問合せをするのは不作法でもあるし、無用に恥をさらすようにも考えられた。

こんなふうに思い惑っているとき、およそ父の手紙に十日ほど遅れて、八木千久馬からの手紙が届いた。千久馬は達筆である。古碑文の拓本など習った独特の筆法で、捻ったような活溌な字を書く。第二はその手紙の、ひと眼でわかる彼の署名を見たとき、われ知らずあと声をあげた。

「――千久馬……」

第二の耳に千久馬の声がよみがえった。送り祝いの夜、彼の囁いた声が――よかったね、おめでとう。誰も知らない筈のことを彼は知っていた。もちろんふしぎではない、千久馬もしのとは従兄妹に当る、しのの母は千久馬の亡くなった父の妹だから……。そして、第二や藤島ほど繁くはなかったが、彼もまた和田へはよく顔をみせていたから。