Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひとごろし

ひとごろし

山本 周五郎

Lisez ひとごろし de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 607 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

昂軒は大股にこっちへあるいて来、六兵衛はすばやくうしろへ逃げた。逃げながら「ひとごろし」と叫んだ。その男は人殺しである、側へ寄るな、いつまた人を殺すかもしれない、危ないぞと、繰返し叫びたてた。道には往来の旅人や、ところの者らしい男女がちらほら見えたが、六兵衛の叫びを聞き、昂軒のぬきんでた逞しい容姿を見ると、北から来た者は北へ、南から来た者は南へと、みな恐ろしそうに逃げ戻っていった。昂軒は「勝負をしろ」といって近づいて来、六兵衛は「ひとごろし」と叫びながらあとじさりをした。

「卑怯者」と昂軒は顔を赤くしながら喚きかけた、「きさまそれでも侍か、きさまそれでも福井藩の討手か」

「私はこれでも侍だ」と逃げ腰のまま六兵衛が云った、「上意討の証書を持って、おまえを追って来た討手だ、だが卑怯者ではない、家中では臆病者といわれている、私は自分でもそうだと思っているんだ、卑怯と臆病とはまるで違う、おれは討手を買って出たし、その役目は必ずはたす覚悟でいるんだ」

「ではどうして勝負をしない、おれが勝負をしようというのになぜ逃げるんだ」

「勝負はするさ」と六兵衛は答えた、「――但し私のやりかたでだ」