Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひとでなし

ひとでなし

山本 周五郎

Lisez ひとでなし de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 484 caractères · 38 écrans

Aozora Bunko

伴れの顔をじっとみつめた。

「おい、すみはどうした」と彼は低い声で聞いた、「すみに会ったのか」

痩せた男は顎をしゃくった、「向うの庫裡で仁兵衛が賭場をやってる、すみは約束どおり来ていたよ」

「それで、まだ会わねえのか」

「すみのことは心配するな」

「会ったのか会わねえのか」

「大きな声をだすなよ」痩せた男はふところを手で押えた、「旅切手は二枚、おれたち夫婦とおめえのと、ここに持ってるから安心しろ」

「すみは賭場へ戻ったのか」

痩せた男は黙って歩きだした。大きいほうの男がついてゆくと、鐘楼の向う側へゆき、そこで痩せた男は立停って、そこに転げているものへ顎をしゃくった。

「こいつはまったく手の早い野郎だ」と痩せた男が云った。

吉の字と呼ばれる男は身を跼めた。そこに転がっているのが人間であり、血の匂いのするのに気づいた。その人間は俯向きにのびており、すっかり息が絶えているようであった。

「ひでえことを」と彼は口の中で呟いた、「ひでえことを――」

「そいつは欲をかきゃあがった、十両だなんてふっかけたうえに、ふところへ手を入れやがった」と痩せた