Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めおとよろい
めおと鎧
山本 周五郎
Lisez めおと鎧 (めおとよろい) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 12 130 caractères · 24 écrans
近寄ってみると、それは孫兵衛の支配する槍組の兵たちだった。かれらも孫兵衛をみてあっと声をあげた。「待て、その盾の上にいるのは誰だ?」兵たちはなにか答えようとしたが、黙ってしずかに盾をおろした。負傷者の着ている鎧は、孫兵衛のものだった。頭の脇に置いてある兜もかれのものである。「誰だ、貴公は誰だ」孫兵衛は、横たわっている相手の肩へ手をかけた。負傷者はしずかにふり向いた、それは妻であった、妻の屋代であった。孫兵衛は、愕然と息をのんだ。「おまえか、屋代、おまえだったのか」「旦那さま」屋代はひどくかすれた、弱々しいこえで、とぎれとぎれに云った。「おゆるし下さいまし、お具足をけがしました、女の身で、さしでたことをいたしました。でも……お待ち申していたのです、お待ち申して、もう間にあわぬと存じましたから……」「云うな、おれのおちどだ、おれのおくれたのが悪かったのだ」かれは、妻の手をしかと握った。屋代はうるんだ眼で、じっと良人を見た。「身代りのことは、誰にも知れぬようにしてございます、それをどうぞお忘れなく」「わかった」孫兵衛はつよくうなずいた、「いまはなにも云わぬ、さがって早く傷の手当をするがよい、心をたしかにもっているんだぞ」