Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やぶからし
やぶからし
山本 周五郎
Lisez やぶからし de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 476 caractères · 44 écrans
「おかあさま」とわたくしは云った、「わたくしどう致しましょう」
「召使に見られます」おかあさまはわたくしの肩へ手をまわしながら仰しゃった、「ここではいけません、わたくしの部屋へゆきましょう」
おかあさまはわたくしをかかえるようにして、御自分の部屋へはいり、よく火のおこっている火鉢のそばへいっしょに坐った。
「ここならようございます、さあ、泣きたいだけお泣きなさい」そう云っておかあさまはわたくしの手を取られた、「――ただね、すずさん、これはあなた一人だけのことではないのよ、わたくしにもおぼえがあるし、女なら誰でもいちどは忍ばなければならない、生涯にいちどだけ、結婚する女はみんな、いちどはくぐらなければならない門のようなものなのよ」
わたくしはおかあさまの膝へ俯伏して泣いた。おかあさまはやさしく、わたくしの背を撫でたり、赤児をあやすようにそっと叩いたりしながら、年が若いから吃驚したであろうが、これでもう済んだのである、耐え忍ぶようなおもいも長く続くものではないし、やがてはそんなこともあったかと思うようになるだろう。そういう意味のことを話してくだすった。
――おかあさまは勘ちがいをしていらっしゃる。