Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがまち

わが町

織田 作之助

Lisez わが町 (わがまち) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 840 caractères · 186 écrans

Aozora Bunko

「――お前読んでみたりイ」

「へえ」

そして、読みだした小僧の声は、筑前琵琶の音にところどころ消されたが、他吉の胸に熱く落ちて来た。

マニラへ行っていた婿の新太郎が、風土病の赤痢に罹って死んだ旨、新太郎に部屋を貸している人からの報らせの手紙だった。

「なんやて? さっきのとこもういっぺん読んで見てんか。一昨日の……?」

「一昨日の午前二時、到頭看護及ばず逝去されました」

「セイキョてなんやねん」

「死ぬこっちゃ」

小僧は十六歳だった。

瓦斯燈がはいって、あたりはにわかに青い光に沈んだ。

理髪店の大鏡に情けない顔をちらと蒼弱くうつして、しょんぼり表へ出ると、夜がするする落ちて来た。

他吉は腑抜けて、ひょこひょこ歩いた。

3

それから半時間も経ったろうか、他吉はどこで拾ったのか、もう客を乗せて夜の町を走っていた。

通天閣のライオンハミガキの広告燈が青く、青く、黄色く点滅するのが、ぼうっとかすんで見えた。

客は他吉の異様な気配をあやしんで、

「おやっさん、どないしてん? 泣いてるのんと違うか」

「泣いてまんねん」

「えっ?」

客はその返辞の仕方のほうに驚いてしまった。