Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わがまち
わが町
織田 作之助
Lisez わが町 (わがまち) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 869 caractères · 52 écrans
木蔭で弁当をひらいていると、雨がぱらぱらと来て、急に土砂降りになった。合羽を仏壇にかぶせ、自身は濡れ鼠になりながらペタルを踏み、やっと目的地に着いて、仏壇を届けて帰る道もなお降っていたが、それでもへこたれようとしなかったのは、子供の頃からさまざまな苦労に堪えて来た故であろうか。大阪に帰ると、日が暮れた。男なら一服吸うてというところを、その足で直ぐ病院へ戻り、夜、次郎の寝台の傍で産衣を縫うた。七ヶ月さきに生れるとの産婆の言であった。
次郎は見て眼が熱くなり、
「ああ、魔がさしてた。潜水夫やめよう思たんは、あれは気の迷いや。怪我した足が泣いとる。元のからだになったら、はよ潜れ言うて、泣いとる。」
と、言い、そしてしみじみと、「苦労させるなア。」
と手を合わさんばかりにした。君枝は、
「阿呆らしい。水臭いこと言いなはんな。」
と、いつもの口調でいい、そしてこくりこくり居眠りをした。
他吉はそんな風に君枝が働きだしたのを見て、貧乏人の子はやっぱり違うと喜び、
「せエだい働きや。」
と、言い言いし、さもありなんという顔でなにやらうなずいていた。ところが、それから半月ばかり経ったある日、ふと君枝がおしめを縫うているのを見て、にわかにほろりとした。