Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

オンチ

オンチ

夢野 久作

Lisez オンチ de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 673 caractères · 42 écrans

Aozora Bunko

そのうちに一箇月経つと警察もとうとう投出したらしく「遂に迷宮に入る」という新聞記事が出た。「十二万円の金の在所と、犯人を指摘した者には一割の賞金を出す」という製鉄所名前の広告と一所に……。星浦製鉄所の内外はこの話で持ち切った。又野の処へ改めて話を聞きに来る者もチョイチョイ出て来たが、又野は五月蠅がって何も話さなかった。ほかの二人の職工を引合いに出すような事もしなかった。

四

「なあ又野……戸塚の野郎が、何か大事な事を云い忘れているってこの間、警察署を出てから云ったなあ……暗い横町で……」

「ウン。云うとったが……それがどうかしたんかい」

「イヤ。別にどうって事はねえんだけど……」

菜葉服の三好と又野が、テニス・コートの審判席の処に跼んでいた。二人の背後にはまだ半枯れのコスモスが一パイに咲き乱れていた。久し振り半運転にした汽鑵場裏は、物を忘れたようにシインとして、晴れ渡った青空から太陽が暑いくらい降り注いでいた。

瘠せっぽちの三好は神経質らしく、擬鼈甲縁の眼鏡をかけ直して云った。

「戸塚の野郎は、俺あ赤じゃねえかと思うんだがなあ」

逞ましい腕を組んでいた又野が血色のいい顔を不愉快そうに撫でまわした。