Classiques japonais avec furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Lisez ガラマサどん de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 99 079 caractères · 202 écrans
と続けた。
「はあ」
「十七円といえば、この頃では給仕の月給だ」
「これは大きいです」
と松本さんが立ち上った。
「大きい/\」
と私も中腰になった。
「十七円の月給で親を養ったんだから、この頃の若いものとは聊かながら心掛が違う」
と社長は平気だった。
「はあ」
「大きいですよ」
「社長、未だ揺っています」
「これは危かないですか?」
と私達は立ったり坐ったりした。これで二人とも後から叱られた。
「人間は心掛一つさ」
「はあ」
「しかし君達のようじゃ見込がない」
「はあ?」
「今の態は何だい?」
と社長はむずかしい顔をして、私達二人を見据えた。
「…………」
「日本は地震国だよ」
「はあ」
「あれぐらいの地震を恐れていたんじゃ落ちついて仕事は出来ない」
「私は特別嫌いなものですから、つい」
と松本さんが頭を掻いた。
「特別に地震の好きな人間もあるまいが、余り意気地がなさ過ぎる」
「社長の御身辺をお案じ申上げたからでございます」
と私は苦しい弁解をした。
「我輩は心配ない」
「はあ」
「このビルデングが倒れるようなら、社長として運命を共にする。始終その覚悟でいるから、何んな大地震が来ても驚かない」