Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

キャラコさん

キャラコさん

久生 十蘭

Lisez キャラコさん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 767 caractères · 54 écrans

Aozora Bunko

「これで、おひたしのほうは片づいた。……仏蘭西掛汁をかけてサラダにしてもいいし、お味噌汁の中へ入れてもいいわけね。……これだけあったら、充分二三日は喰べられるわ。……待っていらっしゃい、帰りにたくさん摘んであげるわ。……こんどは魚のほうだけど、うまく、何かいてくれるかしら……」

岸について川上へのぼってゆくと、すこしよどみになって深い瀬へ出た。水の中へ手をいれて川底の石をひろって仔細に眺めて見ると、水苔に魚が突ついた口のあとがついている。

「うまい工合ね。このぶんなら、たしかに山女魚ぐらいはいそうだわ」

岸からそっと身体をひいて、骨を折って大きな蠅を一匹つかまえて羽根をむしって水の上へ落してやると、まるで待ちかねてでもいたように、水の面がはげしく動いて、キラリと鱗を光らせながら、虹色の魚が飛びあがりざま、パクリとそれをのみ込んでしまった。四寸ぐらいもある美しい虹鱒だった。

キャラコさんが、うっとりとした声を、だす。

「虹鱒だわ! なんて、すばらしいこと!……水芹があって、そのうえ虹鱒まであったら、帝国ホテルのご馳走にだって負けはしないわ。……これじゃ、愚痴どころではないようね。