Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ジロリのおんな

ジロリの女

坂口 安吾

Lisez ジロリの女 (ジロリのおんな) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 597 caractères · 102 écrans

Aozora Bunko

私は人の顔をジロリと見る悪い癖があるのだそうだ。三十三の年にさる女の人にそう言われるまで自分では気づかなかったが、人の心をいっぺんに見抜くような薄気味わるさで、下品だという話だ。それ以来、変に意識するようになり、あゝ、又やったか、そう思う。なるほど、我ながら、変に卑しい感じがする。魂の貧困というようなものだ。男にはメッタにやらぬ。自分では媚びるような気持のときに、逆に変にフテブテしくジロリとやるようなアンバイであるらしい。然し、どんな時にジロリとやるのだか、自分にも明確には分らず、その寸前に、あゝ今、やるな、と思うと果してジロリとやるグアイで、意識すると、後味の悪いものだ。

けれども、三十三の年までは、自分のことには気がつかず、女の人が私に対して、そうするのだけが、ひどく切なく胸にこたえて仕方がなかった。すべての女が私にそうするわけではない。あるきまった型の女の人だけがそうで、キリキリ意地っぱりの敏腕家という姐さん芸者や女将などがそうなのである。

そういうタイプの女は、私と性格的に反撥し、一目で敵意をもったり、狎れがたい壁をきずいたりするふうで、先ずどこまでも平行線、恋など思いもよらぬ他人同志で終るべき宿命のものゝようだ。