Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ズラかったしんきち

ズラかった信吉

宮本 百合子

Lisez ズラかった信吉 (ズラかったしんきち) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 656 caractères · 110 écrans

Aozora Bunko

女は、赤坊をかかえて、チョコンとその横にいる。信吉は、女を今日までグリーゼルの親類、姪かなんか、と思ってた。年だってその位違うんだ。

身分調べがすむと、女裁判官は、エレーナに訊いた。

「あなたは、どういう機会でグリーゼルと知り合いになったんですか?」

女は、フイとうつむいて、赤坊をつつんだ布団をいじくりながら黙った。

「……きまりわるがることはないんですよ」

励ますように女裁判官が説明してきかせた。

「すっかり事情がわからなければ、私共はあなたを助けたげることが出来ないわけです」

「私、仕事がほしかったんです」

「――それで?」

「私工場へ働きに出たことはないし、どうしようと思ってたら、チホーン・アルフィモヴィッチが、ソヴェトに知っている者がいるから、野菜の許可露天商人に世話してやるって云ったんです」

「それが今の職業ですね」

「ええ」

「どうして真直職業紹介所へ行かなかったんですか?」

「……うまく行くだろうと思ったんです」

咳きばらいをしながら、カサカサした声で女は話した。身持ちになったときグリーゼルは、俺には貯金が五百ルーブリもあるんだから、養育費を出してやると云った。