Classiques japonais avec furigana
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ノンシャランどうちゅうき
ノンシャラン道中記
久生 十蘭
Lisez ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 011 caractères · 23 écrans
検査官は、その丘を指さしながら、
「あれがタラノの部落です。あそこに大きな雑木林が見えますね、あのはずれに一軒建っているのが多分極楽荘です。私はここからもっと上へのぼってゆきます。では、ご機嫌よう、コルシカ人に用心なさい」といって、それから一人で尾根伝いにのぼっていってしまった。
コン吉は急に泣きっ面になって、
「やや、これは困った。ここへおいてゆかれたんでは進退きわまってしまう。進めば族長、退けば山賊、……タヌ君、一体どうしたものだろう」というと、タヌは一向平気な面持で、
「心配することなんかあるものですか、あたしに名案があるんだから落ち着いていらしゃい。ここにね、昨夜あたしが作っておいた幟があるから、これをよく皆に見えるように拡げながら部落へ入って行くのよ。それで大丈夫」といって、鞄の中から白金巾の風呂敷のようものを取り出してコン吉に渡した。コン吉が受け取って拡げてみると、その白布にはでかでかと大きな字で、こう書いてあった。
われ等はコルシカ人を尊敬す
四、口は禍の門、千古の金言。コルシカ人尊敬の幟を押し立て、行きあうコルシカ人に、いちいちもれなく、