Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ヘヤーピンいっぽん

ヘヤーピン一本

豊島 与志雄

Lisez ヘヤーピン一本 (ヘヤーピンいっぽん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 246 caractères · 17 écrans

Aozora Bunko

その時、俺のすぐ後からはいって来て、俺たちの問答を聞いていたらしい、モンペ姿の若い女が、低い声で女中に言った。

「わたくしもお願いします。」

「仕様がないねえ。じゃあ、いっしょに寝るか。」

俺といっしょに寝かすのかと思うと、そうではなかった。

「おかみさん、もう起きなさいよ。」

長火鉢の向う側から、小柄な中年の女がむくむくと起き上った。

「さあ、お嬢さんはこっちだ。」

俺は洋服のまま布団にはいった。

いつでもどこででも眠れるのが、俺の特技だ。その上、ほっとした安心感もあった。すぐに眠った。

僅かの間だったようだ。俺たちはさっきの女中に起された。

「さあさあ、旦那さんとお嬢さんは、あっちの室だ。」

両側に室が並んでいる中廊下を通って、奥の方の六畳に、俺たちは案内された。早立ちの客があって、そこが空いたものらしい。布団も二つ離して敷いてあった。俺たちはまたそこで眠った。

へんに騒々しいあたりの空気に、俺は眼をさました。気持ちの立ち直りから見て、だいぶ眠ったようだ。建て付けのわるい雨戸の隙間から、もう明るい光りがさしていた。

俺は起き上った。「お嬢さん」はまだ寝ている。