Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ヘヤーピンいっぽん
ヘヤーピン一本
豊島 与志雄
Lisez ヘヤーピン一本 (ヘヤーピンいっぽん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 246 caractères · 17 écrans
俺はそこで歯ブラシを使いながら、同室の娘に対する警戒の念がまた湧いた。そこそこに顔を洗って、室に戻ってみると、娘はまだ眠っている。
なにか忌々しい気持ちで、俺は上衣やズボンの埃を荒々しくはらった。それから煙草を吸おうとすると、パイプがつまっているのだ。廊下に出て、女中を呼びとめて、それからヘヤーピンの一件だ。
かくして、よく通ったパイプで、ピースを吸っているうちに、俺は妙なことを発見した。
いったい、シガレットにパイプを使用する者は、あまり多くない。まあ、没落した若い貴族か、ハイカラぶったジャーナリストか気取りやの官僚か、そんなところだろう。それとても、ぴったり身についてはいない。シガレット・パイプが身につくのは、特殊の人柄に限る。殊に象牙のパイプはそうだ。けれども、その象牙のパイプの、太い新らしいのが、しっくり身について、少しもおかしくない者がある。ヤミヤだ。ヤミヤのそれに比ぶれば、俺のパイプなど、象牙ではあるが至って小型で、古くて黄色い艶が出てる代りに、吸口は歯で磨滅している。それでもまあ、ヤミヤ仲間には伍せないとしても、カツギヤの端っくれにははいり得ようか。