Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
マダムさだやっこ
マダム貞奴
長谷川 時雨
Lisez マダム貞奴 (マダムさだやっこ) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 999 caractères · 53 écrans
「ねえ、僕が川上の世話を焼きすぎるといって心配したり、かれこれいうものがあるけれど、男は女に惚れているに限ると思うのです。」
そういう特種の社会哲学を、誰が誰に語っているのかと思えば、聴手には後に耳のないわたしへで、語りかけるのは福沢氏だった。わたしは微笑を含みながら真面目になって、そのくせ後へはむきもせずに耳をすましていた。
「これが男に惚れこんでごらんなさい。なかなか大変なことになる。印形も要る。名誉もかけなければならない。万が一のときは、俺は見そこなったのだなんていう事は逃口上にしかならない。一たん惚れたら全部でなければならないから――其処へゆくと女の望みは知れています。ダイヤモンド、着物、おつきあい、その上で家を買うぐらいなものだから。」
わたしはなるほどと思った。事業家の恋愛は妙な原則があるものだと感じた。しかし私はまるであべこべなことを感じたのであった。男同士が人物を見込んでの関係は――単に商才や手腕に惚れ込んだのは、どん底にぶつかったところが――自今の世相から見て、生命をかけたいわゆる男の、武士道的な誓約のある事を、寡聞にして知らないから――物質と社会上の位置とを失えば、あるいは低めれば済むのである。